既存旅館の新館新築工事として設計・デザインを担当しました。場所は大分県別府市上人ヶ浜温泉であり、別府では珍しい海辺に面した温泉地です。近年別府温泉は、観光客の減少が続き、個々の旅館が、他との差別化が出来る、魅力がある温泉づくりを模索し始めてきました。元々潮騒の宿 晴海は海岸沿いというロケーションの良さと食事のおいしさが定評のある旅館として別府でも一目置かれていた存在でした。ただ、建物の老朽化と客室構成に問題が有り、さらなる飛躍のために今回の晴の棟建設になりました。
晴の棟は18室が露天風呂付きのオールスイートで客室面積が70㎡前後であり、宿泊対象を家族単位に設定しています。注目すべき点は、5階客室がホテルタイプの旅館でありながら6室が屋上庭園からアプローチする離れタイプになっていることです。漏水等の問題を克服しながらこの計画を決定した施主は賞賛に値すると思います。客室単価が25,000円から30,000円前後も別府では初めての試みで、この旅館が別府温泉の起爆剤になってくれることを期待しています。
住所 | 大分県別府市 |
---|---|
構造 | S造 |
階数 | 5屋建 |
延床面積 | 3136㎡ |
客室数 | 18室 |
設計期間 | 2005年11月~2006年4月 |
工事期間 | 2006年4月~2007年2月 |
施工業者 | (株)後藤組 |
ミシュランガイド熊本・大分特別版2018
4レッドパビリオン「4つ星+ ★★★★」