茶心の宿和楽園

嬉野温泉は、西九州最大級の温泉街であり、お茶、温泉、陶磁器で知られています。嬉野川を中心に、数多くの旅館やホテルが建ち並んでおり、温泉は高温で湯量豊富な泉源を持つ九州屈指の名湯であり、「日本三大美肌湯」にも選ばれています。
さらに、嬉野温泉は名産品も豊富です。嬉野茶や温泉豆腐、肥前吉田焼などが特に有名です。また、温泉以外の観光資源も豊かで、渓谷巡りや自然散策（九州オルレ_嬉野コース）などの体験が楽しめます。

和楽園は、温泉旅館が集まっている嬉野温泉地区の一角にあり、正面には道路を挟んで塩田川に面しています。
和楽園は嬉野温泉地区でも老舗の旅館であり、お客様の満足度向上と新規顧客層の呼び込みを両立させるため、本計画が始まりました。
旅館の改修にあたり、客室数は既存の9室から改修後の5室へと数を減らしました。これにより、各客室により広いスペースを提供し、お客様に面積的なバリューを感じていただけるよう配慮しました。また、和楽園では従業員の手間を軽減することも重要な要素としました。
さらに、新規顧客層の呼び込みを図るために、嬉野温泉という地域性は活かしながら、従来の畳や板の間などといった旅館の伝統的な意匠とは異なる趣を持つ客室を提供することで、目的客や若年層への集客力を強化しました。
「地域の伝統を尊重しながらも、進化し続ける魅力的な旅館でありたい」というお施主様の思いを大切にして、設計を行いました。